猫の胃潰瘍 ~嘔吐や下痢などを引き起こす胃潰瘍の原因と症状~


胃潰瘍(いかいよう)は、胃の粘膜が傷ついてしまって凸凹になった状態をいいます。また、潰瘍とは胃の表面を覆う上皮組織が欠損して、その下にある組織にまで至った状態をいいます。胃潰瘍になると、嘔吐や下痢などの症状を引き起こします。

胃潰瘍は命には関係ないようですが、腹膜炎を引き起こすと命に関わってしまう病気です。
今回は、猫の胃潰瘍について紹介していきたいと思います。

猫の胃潰瘍の原因


胃潰瘍は、胃の表面を覆う粘膜層が何らかの理由で欠損し、さらに下にある粘膜下層や筋層にまで達してしまった状態で、胃の入り口である胃底部と胃の出口である幽門洞(ゆうもんどう)に多発します。

胃潰瘍の原因としては、慢性胃炎、肥満細胞腫などが原因となって発症したり、アジソン病、慢性腎不全、肝臓疾患、膵臓疾患などでも発症します。

また、回虫やフィサプテラなどの寄生虫の寄生が胃炎を引き起こし、その結果、胃潰瘍を発症したり、非ステロイド抗炎症薬やグルココルチコイドなどの薬剤の投与の結果、胃炎を引き起こして、その結果、胃潰瘍を引き起こします。

胃潰瘍の原因としては、ネコ伝染性腸炎ウィルス・コロナウィルスの感染・細菌感染もありますが、胃潰瘍の原因として特に注意しなければいけないのがパルボウイルスによる伝染性腸炎です。
また、人の場合は胃潰瘍の原因としてストレスがありますが、猫でもストレスが原因となる事があります。
ただ、人の場合は精神的ストレスですが、猫の場合は身体的ストレスが原因となります。
身体的ストレスとしては敗血症・低血圧・熱中症・火傷・血栓塞栓症などがあります。

猫汎白血球減少症


パルボウイルスの1つである猫汎白血球減少症ウイルス(FPV)によって引き起こされる感染症で、猫ジステンパーや猫伝染性腸炎とも呼ばれます。
また、致死率と伝染性が高く、消毒・清浄化が困難なことでも知られています。

血流によって全身に行き渡ったウイルスは、仔猫の場合は心筋細胞に取り付き、そこで爆発的に増殖して細胞を破壊します。
そして、心筋細胞が破壊されてしまった場合には心筋炎を引き起こして、心不全となり突然死してしまいます。

症状としては下痢や水溶性粘血便を発現します。さらに、骨髄細胞の破壊によって白血球数が激減し、腸内細菌の日和見感染(ひよりみかんせん)を防御することができなくなり、敗血症します。

効果的な治療法がなく、発症した場合には対症療法が施されます。ただ、ワクチンが存在するので定期的なワクチン接種で予防する事はできます。

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猫の胃潰瘍の症状

胃潰瘍を発症した際の症状は下痢が主体ですが、嘔吐・吐血・血便・腹痛・元気消失・食欲不振・体重減少・脱水なども症状として発現します。
また、胃に穴が開いてしまうと出血や腹膜炎を引き起こし、急死する事もあります。

猫の胃潰瘍の治療


胃潰瘍の治療法としては、他の病気が原因で胃潰瘍を引き起こしている場合にはその病気の治療が施されます。
また、胃酸の分泌を抑えるため、制酸薬や抗ヒスタミン薬などの投与といった症状の軽減を目的とした対症療法が施されます。

出血、穿孔、過剰嘔吐、腹膜炎が認められる場合には入院し、輸液や輸血を施しながら経過観察が行われます。
また、下痢と嘔吐を改善する為に整腸剤などの投与が施され、下痢や嘔吐により脱水を引き起こしている場合には輸液が施されます。

猫の胃潰瘍の予防


胃潰瘍の予防はなく、定期的な健康診断と猫に異常がないかどうかを常に観察する事が大切です。また、日頃から胃に負担をかけない食餌を心がける事も大切です。

ネコ伝染性腸炎ウィルス・コロナウィルス・パルボウイルスの感染を予防するためにワクチン接種をする事で、こういった感染を予防する事ができます。
また、寄生虫の感染を予防したり、薬剤などを誤飲しないようにする事も重要です。

まとめ

1.原因は、慢性胃炎、肥満細胞腫などが原因となって発症したり、アジソン病、慢  性腎不全、肝臓疾患、膵臓疾患などでも発症します。また、寄生虫や薬物等でも発症します。

2.猫汎白血球減少症は、致死率と伝染性が高く、消毒・清浄化が困難な病気です。また、症状としては下痢や水溶性粘血便を発現します。

3.症状は、下痢・嘔吐・吐血・血便・腹痛・元気消失・食欲不振・体重減少・脱水などを発現する。

4.治療は、原因となる病気の治療や胃酸の分泌を抑えるため、制酸薬や抗ヒスタミン薬などの投与といった症状の軽減を目的とした対症療法が施されます。

5.予防は、効果的なものはなく、定期的な健康診断と常に異常がないかを観察して、異常を確認した場合はすぐに動物病院に連れていきましょう。

猫の胃潰瘍は、様々な原因から発症します。下痢・嘔吐・吐血・血便・腹痛・元気消失・食欲不振・体重減少・脱水などが症状として発現するので、これらの症状が確認された場合にはすぐに動物病院で診察を受けましょう。

また、効果的な予防法はなく、定期的な健康診断と胃に負担をかけないような食餌にしたりする事が大切です。

(コラム:ペット専門家 クロさん)

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