猫の血便・黒色便・血尿 ~血便や血尿から考えられる病気~


猫が血便や血尿をした場合には体の中で出血が起こっているという事ですが、血便や血尿の状態によって病気の種類が変わってきます。

また、飼い主や家族が血便や血尿をしているのを確認した場合にはすぐに動物病院で診察を受ける必要があります。

今回は、猫が血便や血尿をした際に考えられる病気について紹介していきたいと思います。

猫の血便


猫だけでなく、人や犬もですが、口から飲み込んだ食べ物は、食道を通って胃に到達し、そこから小腸へ送られ大腸を通って便として排出されます。

血便はこの食物の通り道の何処かで出血が起こっている場合に起こる症状です。

また、出血を起こしている場所によって血便の色が変わってくるので、いつもと違う色の便をした場合には注意が必要です。

出血が大腸や校門付近からの場合は鮮血がついている為に一目で血便とわかりますが、胃や腸の場合には血液が変色して黒い炭のような便をします。

鮮血がついている血便から考えられる猫の病気


血便に鮮血がついている場合には、大腸炎、腫瘍、異物誤飲、鉤虫症、猫汎白血球減少症があります。

大腸炎は食餌、寄生虫、細菌やウィルスの感染などが原因で起こる大腸の炎症で、突然発症する急性の大腸炎と3週間以上症状が続く慢性の大腸炎があります。

急性の場合は仔猫、慢性の場合は中高齢の犬で多く認められます。

また、急性の場合は不適切な食事(腐敗食、過食)、毛球や猫の砂などの異物による粘膜損傷が原因となります。

慢性の場合は、寄生虫の感染、細菌やウィルスの感性、食物アレルギー、炎症性腸疾患、甲状腺機能亢進症や膵炎などの疾患や腫瘍、薬剤による大腸の潰瘍などが原因となります。

症状としては、鮮血の血便以外に排便の回数が増加したり、便が出ないもしくは出ても少量の便を排便しようといきむしぶりが確認されたり、嘔吐を引き起こします。

猫汎白血球減少症は、パルボウイルスの一種である猫汎白血球減少症ウイルスに感染する事で発症する感染症で、致死率と伝染性が高く、消毒・清浄化が困難なことでも知られています。

ウイルスを保有している猫との直接的な接触や糞便や吐物及びそれらの飛沫、粉塵 を口や鼻から摂取することで感染します。

また、動物病院やペットショップ、公園などに感染力を保持したままウイルスが存在した場合、人間の靴や服、被毛に付着し、人間や他の動物によって運ばれることもあるので、室内飼育だからといって安心はできません。

症状としては、下痢、水様性粘血便といった症状をきたします。また、白血球数が激減し、腸内細菌の日和見感染を防御することができなくなり、敗血症に至ります。

同時に、腸粘膜の下に連なる毛細血管の破壊による出血などの要因が重なってDIC(本来、出血箇所でのみ生じるべき血液凝固反応が、全身の血管内で無秩序に起こること)が引き起こされ、全身の臓器が機能しなくなり死に至ります。

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黒色便から考えられる猫の病気


黒色便をした場合には、猫汎白血球減少症や腫瘍、胃の異常が考えられます。

猫は犬よりも腫瘍が悪性であることが多く、年齢を重ねれば重ねるほど腫瘍はできやすくなります。

これは、気力・体力とともに抵抗力も衰えてくることと細胞が傷つきやすいからといわれます。

軟便や下痢、嘔吐の症状が伴う血便の場合、感染症の疑いが考えられます。

猫のトキソプラズマ症と猫パルボウイルス感染症の可能性があります。

猫の血尿


血尿は尿に血液がそのまま含まれる症状で、似た症状に血液の成分だけが尿に混ざる血色素尿がありますが、一般的に猫の血尿は血色素尿も含めた症状のことをいい、原因はそれぞれ違います。

血尿は膀胱や腎臓などの臓器に異常がある場合に認められる症状です。

原因としては、事故などで腰の周辺にケガをしている、腎臓の病気にかかっている、膀胱中で結石ができて粘膜が傷ついている、膀胱炎などの尿路感染症を起こしているなどが原因で、膀胱や腎臓から出血を起こしていることが起きていることが多いです。

血色素尿は、血液の中の赤血球が大量に破壊される溶血が起こっている場合に認められます。

呼吸によって体内に取り込んだ酸素は、赤血球によって運搬されるので、溶血を起こした猫は酸素が全身に回らなくなってしまいます。

溶血が起こる原因としては、タマネギなどのネギ類を食べた、赤血球にヘモバルトネラなどの寄生体がついている、猫白血病ウイルスに感染していることが原因として考えられます。

血尿に加えてふらふらしていたり、口の中が白い、吐きそうにしているときは溶血を起こしている可能性があります。

血色素尿の場合は血尿の症状のほかに貧血症状が見られることがほとんどです。

また、猫の血尿の原因としては、慢性の膀胱炎や尿路結石が多く認められます。

まとめ

1. 血便は、食物の通り道の何処かで出血が起こっている場合に起こる症状で命に関わる事もあります。

2. 鮮血がついている血便から考えられる病気は、大腸炎、腫瘍、異物誤飲、鉤虫症、猫汎白血球減少症があります。

3. 黒色便から考えられる病気は、猫汎白血球減少症や腫瘍、胃の異常があります。

4. 血尿は、血液がそのまま含まれる症状で膀胱や腎臓などの臓器に異常がある場合に認められます。

猫に血便や血尿が認められた場合には、体に異常が起こっているサインなので動物病院での診察を受ける事が大切です。

また、血便をした場合にはその血便を動物病院に持って行くと診断の助けとなります。

持ち運ぶときはラップで包んだりタッパーに入れたり、袋に入れて口を固く結ぶ等して、空気になるべく触れないようにしましょう。

室外飼育や外に行く猫の場合にはトイレを確認する事ができずに、血尿や血便に気づきにくい為に、室内にトイレを設置して、室内でトイレをするようにしつけるようにしましょう。

(コラム:ペット専門家 クロさん)