猫の心臓の病気についてわからない人へ!心筋症の分類と症状

猫の心臓病の中で最も発症率が高いのが心筋症です。

また、心筋症は原因によっていくつかの分類がされていて、症状も治療法も変わってきます。
猫の心筋症 にゃんにゃんネット
今回は、猫の心筋症の分類と症状について紹介していきたいと思います。

猫の心筋症の分類と原因

猫の心筋症 にゃんにゃんネット
多くの場合は原因不明ですが、ウイルス感染、自己免疫疾患、遺伝などの可能性が示唆されています。
心筋症は原因によって3つに分類されます。

肥大型心筋症

肥大型心筋症は、左心室の筋肉が肥大する事で1回の収縮で送り出す血液量が減ってしまう状態をいいます。

6~10歳のスムース・コートのオス猫に発症しやすいといわれていますが、原因についてはよくわかっていません。

また、アメリカンショートヘア、ペルシャ、メインクーンにおいては遺伝が関係しているといわれているので、これらの猫種を飼育する場合には注意が必要です。

拡張型心筋症

拡張型心筋症とは、心筋が細く伸びてしまい、左心房と左心室の壁が薄くなって収縮力が低下し、十分な血液を送り出せなくなってしまった状態をいいます。

また、血流不足から低体温や脱水症状といった症状を認められる事もあります。

原因としては、必須アミノ酸の一種であるタウリンの摂取不足が挙げられます。

尚、遺伝的にはシャムやアビシニアンに発症しやすいといわれています。

拘束型心筋症

拘束型心筋症は、心臓内部にある繊維が肥厚し、心臓の壁が硬くなり、心臓本来の収縮ができなくなった状態をいいます。

心臓の伸展性と収縮力の両方が失われるため「中間型心筋症」と呼ばれることもあります。

原因についてはよく分かっていませんが、10~12歳くらいのシニア期の猫に発症する事が多く、心筋炎が何らかの関係をしていると考えられています。

また、他の2つの心筋症を併発する事もしばしばあります。

猫の心筋症の症状

猫の心筋症 にゃんにゃんネット
肥大型心筋症は、主に左心室の筋肉が急激に厚くなり、左心室が狭くなって血液を貯める事ができなくなるために、体が必要とする血液が心臓からでなくなって全身の働きが低下し、多くの臨床症状が発現します。

また、心筋症の最も重要な症状は、呼吸困難や運動機能の低下です。

呼吸困難は、肺に水が溜まる肺水腫になる事によって出てくるが、同時に発咳も確認されます。

運動機能の低下は、体が必要とする血液が心臓から出てこない為に、全身の臓器の機能が動かなくなるために出てきます。

更に、比較的多い症状としては後肢の麻痺がお香場合もありますが、腹大動脈に血栓が詰まってしまう為に後肢に血液が行き渡らずに麻痺が起こります。

また、この状態が長く続くと爪が壊死します。

心筋症の主な症状としては以下の症状があります

・ぐったりして元気がない
・食欲不振
・乾いた咳
・息が苦しそう
・腹水
・後肢麻痺
・キャピラリテスト陽性(以下参照)
・後肢の肉球は白色化する
・突然の意識不明
・体温の低下
・尿の色が濃くなったり、尿量が減少したりする
・血圧の低下

キャピラリテストとは

キャピラリテスト」とは、「毛細血管再充満時間テスト」のことで、血圧が低下しているかどうかを知る際の簡易チェックとして使用される検査方法です。

具体的なやり方は、猫の歯茎を白くなるまで指で押し、離してから赤みが戻るまでの時間をチェックするだけなので、飼い主や家族としても使用しやすい検査です。

血圧が正常であれば2秒未満で色が戻りますが、血圧が低下している場合は2秒以上かかります。

この検査法は必ずしも正確な検査法とはいえませんが、家庭で日常的にできるチェック方法としては便利です。

スポンサーリンク




猫の心筋症の治療

猫の心筋症 にゃんにゃんネット
多くの場合は、一度変性した心臓の機能を回復する事は難しい為に、完治を目指すのではなく、症状が悪化する事を防ぐ事が治療のメインとなります。

肥大型心筋症の治療

肺に水がたまって肺水腫を併発しているときは利尿薬を与え、余分な水分を尿として体外に排出させることを促します。

その後心臓が広がりやすくなる薬や心臓の肥大を抑える薬などを投与して症状の悪化を防ぎます。

また、血栓予防のためにアスピリンが投与されたり、すでに形成されてしまった血栓を溶かす薬が用いられることもあります。

心拍数が200以下の猫の方が長生きしたというデータもあるため、日常生活の中からストレスを排除し、なるべく猫の心臓に負担のかからないライフスタイルを続けることも重要です。

拡張型心筋症の治療

拡張型心筋症の治療としては低体温を起こしているときは体を温め、脱水しているときは輸液などで体液を補給します。

また、胸腔内に水がたまる「胸水」と呼ばれる状態を併発している場合は、注射針を用いて慎重にたまった水を吸い出します。

心臓に対しては血管拡張薬、利尿薬、場合によっては強心薬などが投与され、心臓の機能を回復すると同時に血栓予防が図られます。

うっ血性の心不全を併発している場合は、入院を余儀なくされることもしばしばであります。

また、食事中のタウリン不足が病気の一因ですので、タウリンを十分に含んだ食餌に切り替えるようにします。

拘束型心筋症の治療

拘束型心筋症の治療としては肺に水がたまって肺水腫を併発しているときは利尿薬を与え、余分な水分を尿として体外に排出させることを促します。

その後血管拡張薬や血栓予防薬を投与し、体を安静に保って症状の悪化を防ぎます。

ただ、予後はあまりよくなく、生存期間はおおむね3~12ヶ月の間で、2年もてば良い方とされます。

まとめ

1. 心筋症の分類と原因は、肥大型、拡張型、拘束型の3つに分類されます。また、原因についてはよく分かっていません。

2. 心筋症の症状は、心臓の状態が悪くなるので呼吸困難や元気消失、後肢の麻痺、運動機能の低下などが起こります。

3. 心筋症の治療は、心筋症の種類によって変わってきます。また、基本的には症状がこれ以上悪化しないようにする事が心筋症の治療のメインとなります。

猫の心臓の病気の中で最も発症率が高いとされる心筋症は、原因に関してはよく分かっていないので予防する事が難しい病気です。

また、必須アミノ酸であるタウリンが不足する事が原因となる事もあります。

なので、タウリンが含まれているキャットフードを与えるようにしましょう。

基本的にキャットフードにはタウリンが含まれていますが、ドッグフードには含まれてはいないので長期的にドッグフードを与えないようにしましょう。

(コラム:ペット専門家 クロさん)